プロから学ぶ自動車補修
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【注意】
このページはプロの自動車補修作業を参考にエアースプレーガンを使用した作業を紹介ページです
塗装工具等をお持ちでなく一時的な簡易補修をお望みの方は「はじめてやる小さな傷の簡単修理」のページを参考に作業してください
工程1  工程2 工程3 工程4 工程5
前準備 下地 中塗り 上塗り 仕上げ

工程1 前準備
1、色の確認
 色の塗り替えを行っていない車は、
車のカラー番号をひかえます
塗り替えを行っている場合や緻密な色合わせを希望の方は色の判断が出来るパーツや以前に塗装した残りの塗料を用意し現物調色塗料注文ページにお進みください
下記、赤文字は弊社取扱商品です

2、材料の準備
パネル2〜3枚まで程度の補修塗装を御希望の方
自補修セットJS1と車のカラー番号どおりの塗料を用意します
*マークの商品は自補修セットJS1に含まれます

車全体、全面塗装を御希望の方
全面塗装セットZS1
と車のカラー番号どおりの塗料を用意します
*マークの商品とウレタンプラサフ1kgセットが全面塗装セットZS1に含まれます


3、前処理
 塗装にはWAXの残りや汚れは厳禁です
*シリコンオフをしみこませたウエス(エアゾール式の場合は塗装予定箇所に直接吹き付け)にて汚れを浮き立たせ乾ききる前に綺麗なウエスにて汚れ油分を完全に除去します
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工程2 下地

工程2−1旧塗膜ハクリ


工程2−1フェザーエッジ出し


工程2−2パテ付け(スリ込み)


工程2−2パテ付け(盛付け)


工程2−3ドライガイドコート塗布


工程2−3パテ研磨
1、旧塗膜ハクリ
 ダメージ(へこみ)の外周より5cm以上広く、
エアー式シングルまたはダブルアクションサンダ-を使用しP60〜P120ディスクペーパーにて旧塗膜をハクリします
 旧塗膜ハクリでの深いペーパー傷の上の研磨(目消し研磨)と素地と旧塗膜の段差をなだらかにするため(フェザーエッジ出し研磨)ダブルアクションサンダーを使用し
P180〜P280ディスクペーパーにて研磨します
 サンダ-をお持ちで無い場合、パットを使用し*P120空研ぎペーパーにて手作業にて旧塗膜ハクリ、その後*P220〜P320空研ぎペーパーで目消しおよびフェザーエッジ出し研磨します
*塗膜の端をエッジ、なだらかなものをフェザーエッジと呼びます

研磨後、表面に残った塗膜の削りカスを除去します


2、パテ付け
 パティシュ等のパテ用定盤上で*ポリベラを使用しパテの主剤と硬化剤を規定量どおり2液が均一になるように混ぜ合わせます(すばやく混ぜないと数分で固まり始めます)

 
へこみが2cm以上深い場合
 
鈑金パテを使用し、乾燥後、ダブルアクションサンダーまたはパットにて*P120〜P280空研ぎペーパーにて研磨、次はポリパテで仕上げます

 へこみが1cm程度の場合
 中間タイプパテを使用し、乾燥後、ダブルアクションサンダーまたはパットにて*P180〜P320空研ぎペーパーにて研磨、次はポリパテで仕上げます

 わずかなへこみの場合
 *ポリパテを使用し、乾燥後、ダブルアクションサンダーまたはパットにて*P220〜P320空研ぎペーパーにて研磨

 ピンホール(針で突いたような細かい穴)の場合
*ラッカー拾いパテ(グレージングパテ)を使用します

パテをつける場合はへこみ及び塗膜をハクリした部分に最初はヘラを立てスリ込むように次にヘラをねかせ盛り上げへこみを覆い隠すように泡が混じらないようになだらかに付けます
*パテはヘラを立てると薄く、ねかせると厚く盛れます
*研磨後、平滑にするためパテは少し盛り上げ気味に付けます
*すばやく作業しないと気温により数分で固まる場合があります

3、パテ乾燥、研磨
 パテは気温20度なら30分程度で固まります(熱を加えることにより硬化を促進する事が出来ます)
爪等で乾燥後のパテの端を引っかき硬化したのを確認(パテは薄い箇所の乾燥が遅れます)し歪み無く研ぎます(箇所によっては定規等をあて、すきまを見て歪みがないか確認してみます)サンダ-がない場合はパットにて手研磨します
 
パテやサフェーサー等の研磨作業の前に3Mドライガイドコートを使用しパウダーをパテ研磨面に塗布し研ぎ面をこすると凹んでいる所が黒く残り研ぎながらひずみや研磨目のチェックが簡単にでき作業の効率が向上します。水とぎ時にも使えます。
 へこみが残っている場合は、ポリパテを使用し2〜3を繰り返します
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工程3 中塗り(プラサフ)

工程3−2マスキング


工程3−2プラサフ塗装


工程3−4プラサフ研磨
1、中塗り塗装の前処理
 パテの外周より15cm以上広く*P600ペーパーにて研磨、その後シリコンオフをウエス等にしみこませパネル全面が濡れように浸け、乾かない間にきれいなウエス等にて乾くまで拭き取ります

2、マスキング
 
養生用マスカーまたは新聞紙と*マスキングテープで不必要な箇所にプラサフが付かないようにマスキングします、
 パネル内でのボカシの必要なプラサフ塗装はマスキング部より、必ず内側でぼかすようにしてください、くれぐれもテープ上に塗装しはっきりした見切りをつけないでください、乾燥後プラサフを薄く研磨してもテープで見切りをつけたプラサフ跡は上塗り後、現れます
*プラサフ塗装予定箇所を覆う方向にマスキングし、反対側にめくりテープが表面から見えないようにマスキングするとテープ上に塗装することなく上塗り後にプラサフ跡が出て来るトラブルを防げます
*パネル全面を塗装する場合のやモール等の部品のマスキングはテープではっきり見切るようにして下さい

3、プラサフ(中塗り)塗装
 正しく調合
されたウレタンプラサフをパテの外周より十分広く、足付け研磨範囲内に塗装します、塗装後、しばらくし少し艶が消えたのを確認し指先でマスキング上の塗膜に軽く触れ塗料が指に付かなくなったら再びプラサフ塗装します、合計2回〜4回程度塗装します

4、プラサフ乾燥、研磨
 ドライヤーを軽くあてることにより乾燥を少し早めることが出来ます
乾燥時間は気温、商品によってかなり異なります個別の仕様書を参考にしてください 乾燥後、ダブルアクションサンダーにてソリッド色の場合P400〜P800メタリックパール色の場合P600〜P1000ディスクペーパーにて平滑に研磨します
 手研磨の場合は
*P600〜P1000耐水ペーパーにて水を使用しパットにてプラサフ部の外側まで平均にザラツキが無くなるよう研磨します
 丁寧にひずみを無くす場合には、まず軽くプラサフを空研ぎした後、3Mドライガイドコートのパウダーを研磨面に塗布し、あらためて研磨すると凹んでいる所だけが黒く残り、ひずみや研磨傷のチェックが簡単にできます。
 最後に上塗り予定箇所全体をアシレパットAUにて淡彩色の場合アシレックスレモン濃彩色の場合はアシレックスピーチで水を使用し隅々まで軽く艶が消える程度に足付け研磨します
 アシレックスの無い場合、研磨用パットと
*P1500耐水ペーパーにて水研ぎ足付け研磨します
 水研ぎの場合ワイパーのようにパットで水気を切るとプラサフ表面のザラツキが判り易くなります

5、プラサフ研磨後の確認
 表面の粉をエアーで吹き飛ばし小さな穴があいている場合は
*ラッカーパテをヘラでこするように塗り込み穴を埋めます、1液型ラッカーパテは気温20度なら30分程度で硬化しますがわずかな穴を埋める程度で決して厚く広く塗らないで下さい(乾燥が非常に遅れます)乾燥後*P600〜P1500耐水ペーパーで幅広く仕上げ研磨します

 研磨後、完全に水を除去します
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工程4 上塗
1コートボカシ塗装 1コートソリッド系塗色(上塗り1工程仕上げ)
キラキラしたアルミの粉等がみられない、表面にクリヤー(透明)塗装されていない塗装方法(色の例)白、黒など
1コート全面塗装
2コートボカシ塗装 2コートメタリック・パール・ソリッド系塗色(上塗り2工程仕上げ)
シルバーや比較的透けにくいパール系塗色を塗装し艶を引き出すためのクリヤーコートをしている2層構造の塗装(最近はソリッド系でも赤、黒、紺等はクリヤー塗装されているものも多くこれらを2コートソリッドと呼ぶ)
2コート全面塗装
3コートボカシ塗装 3コートメタリック・パール・ソリッド系塗色(上塗り3工程仕上げ)
1層目は下塗り色を塗装し2層目は透け易い鮮やかなパール、メタリックまたはソリッド色を塗装し最後にクリヤーを塗装するといった合計3層に及ぶ塗装方法
3コート全面塗装
特殊塗装 キャンディ塗装
ラメ塗装
ホログラム塗装
カメレオン塗装
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工程5 磨き及び仕上げ作業
工程5−1 塗膜の確認、調整
1、作業を行うには塗装後、乾燥時間が3日(20度以上時)、冬場では7日以上必要です、作業前に塗膜面を軽く爪で押し軟らかくない事を確認します

2、ゴミ、ホコリ、の確認及び調整
 ゴミ、ホコリは水を使用し
*P2000耐水ペーパーで小さく研磨します(指先で確認しながら研ぎ過ぎに注意して下さい)

3、塗料のタレ確認及び調整
 タレている塗膜は乾燥が非常に遅れます、爪で押して硬くなるまで乾燥します
乾燥後、タレ部分のみ状況に応じて*P600耐水ペーパーからP1000耐水ペーパーにて、またはクリスタルブロック(塗膜研磨用砥石)にてタレ部分を削り落とします(タレ部分の上下の塗膜を研磨し過ぎないよう十分注意します)
 極端な段差が無くなると、タレ箇所とその周辺を*P1500耐水ペーパーを研磨し、その傷を消すように*P2000耐水ペーパーにて研磨します

4、ゆず肌(塗膜のデコボコ)の確認及び調整
 ゆず肌箇所全体に最初*P1000耐水ペーパーから最終P2000耐水ペーパーにて徐々にキメ細かく平滑になるように研磨


*以上で解決しないときは再塗装となりますが乾燥時間に最低7日以上必要です
工程5−2 磨き仕上げ作業
1、最終塗膜研磨
 塗膜調整最終時で付けたP2000耐水ペーパー傷をバフレパットソフトバフレックスブラックにてコンパウンドで簡単に消せる程度の傷にかえる

2、マスキング
 養生用マスカーまたは*マスキングテープと新聞紙等で磨き面以外の部分をマスキング(コンパウンド汚れや傷等がつかないように)します

3、研磨磨き作業
 電動ポリッシャー研磨用スポンジバフ(ファレクラGモップコンパウンドP等)を付け*研磨用コンパウンド(ファレクラG3コンパウンド)にて最終塗膜研磨時で付けたバフレックスブラック傷を消す作業する
*電動ポリッシャー使用時、両脇を締め、バフ面全体を塗膜に当てるのではなく、バフ片方に指の厚み分の隙間を空けポリッシャーを傾けバフの端で磨きます
*ポリッシャーが無い場合にはウエスと研磨用コンパウンドにて手磨きします

4、仕上げ磨き作業
 電動ポリッシャー
仕上げ用スポンジバフ(ファレクラGモップポリッシュP)を付け*仕上げ用コンパウンド(ファレクラG10コンパウンド)にて研磨用コンパウンドで付いた傷を消し艶が出るまで磨く
*ポリッシャーが無い場合にはウエスと仕上げ用コンパウンドにて手磨き作業

通常はここで終了、
濃色車または高仕上りを御希望の場合は下記を参考にして下さい
工程5−3 艶出し、ポリマー作業
1、艶出し
濃色車または高仕上りを御希望の場合
仕上用スポンジバフ艶出し剤の組み合わせにてポリッシャーで磨き作業
手作業の場合は
最終拭き取り用クロス(ソーラーファインクロス等)艶出し剤にて手磨き作業
マスキングをはずし、モール部分や未塗装のバンパー面に
トリムリニュー(通常のレザーWAXにはない新車のようなしっとりとした艶)にて仕上げ


3、
ポリマーWAX(3Mポリマーワックスネリ)
必要な場合にのみ
使用(塗装後数週間経過のみ)
上記材料中の赤で示された商品はHP上にて御紹介させて頂いております